貸金業者と借主との間の消費貸借取引においては、借主が借換えや借増しを行ったり、いったん、貸金を完済した後に再び借入れを行ったり、複数の系列の借入れを行ったりすることが多い。この場合、ある貸金の返済で発生した過払金を他の貸金債務に充当することができれば、その貸金債務に対する元本や利息を減らすことができ、返済額の減額や最終的な過払金の額の増加につながる。また、10年以上前の返済によって発生した過払金の場合、他の貸金債務に充当されないとすれば時効によって消滅してしまうのに対し、他の貸金債務に充当されるとすれば、より多くの過払金が生じることになる。このようなことから、訴訟において充当の可否をめぐって争われることが多くなってきた。
なお、借主が、民法506条1項により過払金を自働債権として、借入金を受働債権として相殺し、同条2項により遡及効を主張しても、相殺の意思表示をした時点で受働債権が弁済によって既に消滅している場合は相殺ができない。
過払金の利率も決着がついた今、過払金問題の最大の争点はこの点であろう。
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